材質別食品・食材保存容器の特徴と使い方
保存容器や調味料・薬味入れは、内容物の状態(固形・液体・粉・やわらかい・堅い...)や保存方法(冷蔵・冷凍・常温)、保存期間、使用時のとりだし方などにより、適したものを選びましょう。
同じ素材で製造されていても、個々の商品により仕様が異なりますが、ここでは大まかに材質による違いをご説明いたします。
プラスチック系保存容器の特徴と使い方
プラスチック容器は、一般に酸やアルカリに強いものですが、中には油やアルコールで膨潤したりひび割れを起こすものがあります。
フタと本体の材質が異なるものがありますので、中に入れる内容物や温度(冷凍、レンジアップ等)によって、使い分けを行いましょう。
※プラスチックは変形の原因となりますので、煮沸消毒できません。80℃のお湯に3分浸して消毒しましょう。
- アクリル樹脂
透明度が高いため、中身が分かりやすいですが、耐熱性は低いですが耐冷性はあり、乾物などの常温保管から冷凍保存に適しています。まれに味に変化をきたしますので、酒・アルコール類の保存には向きません。
- ポリエチレン
やわらかく、耐油・耐薬品性に優れ、薬品用としても使用されます。透明性が低く半透明に見えます。耐熱性は低いため火や熱に弱くレンジには不適ですが、耐冷性には強い性質です。
- ポリプロピレン
耐熱性・耐冷性がありますが冷凍下では、衝撃に対してもろくなり、まれにひび割れすることがあります。汎用性の高いプラスチックで、ジップロック®コンテナーにも使われています。
- ポリカーボネイト
プラスチック素材の中で最も高い耐衝撃性とガラスのように高い透明性があります。耐熱・耐冷性も高く、冷蔵庫やレンジにも耐える性質があります。酸には強いですが、アルカリには弱い性質があります。
ステンレスなどの金属製保存容器の特徴と使い方
金属製の保存容器は、長期保存よりも調理途中の一時保存や短期間の薬味保存などに適しています。
- ステンレス
18-8、18-10ステンレスは、サビにくく丈夫です。酸・アルカリ・塩分に強く、耐久性も抜群です。薬味の保存や短期間の保存に適しています。
- アルミ
軽くて熱伝導が良いため、冷凍、冷蔵、解凍に優れ、急速冷凍にもうってつけの容器です。酸に弱いので、耐食性を高めるためアルマイト加工が施されたものがあります。
- アルマイト
アルマイト(陽極酸化処理)とは、アルミニウムに人工的に酸化皮膜を付ける処理です。これにより、表面の腐食や摩耗に強くなります。(メッキとは異なります。)
ホーロー・陶器系保存容器の特徴と使い方
重く割れる材質ですが、ガラス系の保存容器は、中身に左右されず長期保存にも適しています。瓶など密閉できる形状の物もあり幅広く使われています。
※耐熱ガラスは煮沸消毒可能ですが直後に水で冷やすと割れることがありますので、常温で冷ましてください。
- ガラス
透明度が高いため、中身がわかりやすく、食品のにおいが残らないのも魅力的です。オイルやドリンク系のものを長期保存にはガラス瓶が適しています。
- ホーロー
鉄をガラス質の釉薬でコーティング焼きつけしたものです。
雑菌の繁殖がなく、食品の味や香りを損なうことがありません。酸と塩分に強く、梅干しやジャムなどの長期保存に向いています。
また、熱に強い特性があるため、オーブンでの使用が可能です。(電子レンジは不可)